カテゴリー「旅を描く」の7件の記事

移動中に描く

一人旅、または同じ趣味仲間の「スケッチ旅行」でもない限り、旅先でゆっくり絵を描く時間はなかなか確保できません。何かの待ち時間や移動中に、周囲のモノや人々を描いてみてはいかがでしょうか。

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スケッチブックにサインペン・クレオラクレヨン

1998年頃ロシア極東ハバロフスク市のトロリーバスで

この頃は「人物+そのへんに描いてある文字」を描くというのが好きでよくやっていました。旅行中も同じ方法で描いています。1枚のスケッチに時間差でいろいろな視点・場所の絵が入っています。1枚全部をその場で仕上げようと考えないという作戦も、ときには有効ではないでしょうか。

スケッチブックを常に手に持ち、サインペンとクレオラクレヨンの紙箱(このときは48色セット)をコートのポケットに入れて歩きました。上の絵は、空港と市内を結ぶトロリーバスの車内でクレヨンを出してぐりぐり塗りました。

電車やバスを待つ間や、乗り物の車内で短時間で描くのも「旅のスケッチ」のひとつのあり方ではないかと。

Trolleybus2

Khabarovsk2

Khabarovsk1

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移動中に描く(2)

ハバロフスクのトロリーバス車内でのスケッチが楽しかったので、翌年のヨーロッパ旅行にもスケッチブックとクレオラクレヨンを持って行きました。

同じように人の姿(主に顔)と、そのへんに書いてある文字という組み合わせのスケッチです。このときの旅行は、モスクワからリスボンまで列車を乗り継いで移動するというものだったので、車内や駅でスケッチを描く時間がありました。

ある土地で見かけた人がその地元の方だとは限りませんが、とにかくそこにいる人を描き、見えた文字を描いていました。画面が暑苦しい感じもします。

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左:成田からモスクワまでの飛行機内。
右:モスクワからドイツのケルンまでの寝台列車。車掌と時刻表。

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左:列車はロシアからベラルーシ、ポーランドを走りドイツへ。
右:ケルンの百貨店内で見かけた人。

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ケルンからはTGVでベルギーを通過してフランスへ。

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パリの地下鉄車内でも描く。

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左:パリからまたTGVでスペインとの国境まで。
右:リスボンまでの寝台列車。ヒゲの車掌。

文字は新聞の見出しや広告、列車内の案内や注意書き、その他目に入るものを意味も不明なまま書き留めていきました。「危険」とか「出口」とか、おそらくそんな感じなのでしょう。

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移動中に描く(3)

ロカ岬へ向かうバスでバックミラーにうつる運転手さんを描き、リスボンの路面電車の中で描き、レストランで描き、駅でヒルネする犬を描き、フランスの電気機関車を描き、最後は国際線のエコノミークラスで寝る人たちを描きました。
これらの絵は0号の小さなスケッチブック(画用紙)にサインペンで描いています。スケッチブックは鞄に入れず常に手に持って、スキあらば描くという怪しい観光客であったと思います。
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簡単な道具で簡単に描く旅のスケッチも悪くないのではないかと、それぞれの完成度は度外視して紹介してみました。旅のらくがき集といったところでしょうか。

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立ち止まって描く

Doors1_1ヨーロッパ旅行には0号のスケッチブックのほかに同じメーカーの3号Fのものも持っていきました。ホルベインのしっかりした作りのスケッチブックです。これは町歩きの時になにか描こうかなということで持ち歩きました。

何かの待ち時間ではなく、ここで立ち止まり、スケッチブックを開き、サインペンとクレヨンで描きました。20分くらいだったと思います。リスボンの街ではよく見かける壁と扉ですが、強い日差しで面白い影ができていたので影の形をサインペンで描き、クレヨンで塗り分けるとこれが楽しい。その楽しかった感覚をこの絵を見ると思い出します。


これがリスボンのどのあたりで、ここが何なのか、説明できません。1999年の7月に、リスボンのどこかにこういう壁と扉があった、ということだけです。

スケッチブックにサインペン、クレオラクレヨン

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ホテルの窓から描く

Kolnモスクワからの列車で着いたドイツのケルンで一泊しました。ホテルの窓から見えた大聖堂です。なんとなく塔のてっぺんを描いていたら止まらなくなり、30分くらいで描きました。乗り物の中や街で描くのと違い、ホテルの部屋では落ち着いて描くことができます。長い時間ではありませんが、ノンビリしたひとときだったのを覚えています。曇天の夕方でした。

ホテルの窓からなら、通行人の邪魔をしたり邪魔をされたりすることなく、周囲を気にせずマイペースで描けるので気分的に楽に取り組めるのではないでしょうか。窓から何が見えるのかは運次第なのですが。

スケッチブックにサインペン、クレオラクレヨン

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ときには酒気帯びでも描く

Roof路面電車が走る坂道に観光客向けのオープンカフェがあったのでビールを注文しました。昼間からビールを飲んで良い気持ちになりスケッチブックを開きます。サインペンの線は酒気帯びでヨレヨレですが良い気持ちなので描いている自分では気になりません。

旅行中のスケッチは集中力100%で描くわけにはいきません。気持ち良く描くためには絵のことに集中して周囲のことや時間の経過などわからなくなる状態になるくらいが理想的ですが、街でそれをやるのはいろいろな意味で危険です(わざわざ書かなくても皆さんおわかりかと思いますが)。そこが旅スケッチの難しいところです。わずか数分間、絵に集中していて足もとの荷物が消えていた、なんていうことが起こりえます。集中力70%くらいで、あとは周囲の状況に注意していないと不安です。

この旅行中のスケッチはほとんど立った姿勢で描いたのですが、これだけは椅子に座ってノンビリとクレヨンを使いました。気持ちの良い風が吹いていました。

スケッチブックにサインペン、クレオラクレヨン

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寒くても描いてみる(そして失敗)

Dpc_1これは冬のハバロフスクで描いた(描きかけ)絵です。大通りに面した公園にあった建物というか小屋です。交通警察の詰め所のようなところ。形が面白かったので描いてみました。気温はマイナス30℃近くまで下がっていたかもしれません。しかし直液式サインペンはなんとか持ちこたえておりました。

描いているワタクシの前に制服(といってもコート)に小銃を構えた若者が現れました。警官だと思われます。スパイ行為か何かの罪で逮捕されてしまうのでしょうか。絵に集中しすぎて彼が接近してくること気づいていませんでした。街でのスケッチでは周囲の状況を見失いがちなので要注意です。

Dpc2警官が それを見せろと言うのでスケッチブックを見せると、彼は自分を描いてくれというではありませんか。勤務中じゃないのか、と突っ込みたくなる場面ですが、相手は銃を持っています。こういう状況には慣れておりませんし、ここは描くしかありません。別のページに彼を描くことにしました。

しかしまたここで問題が。サインペンは手に持っているのでインク自体はある程度温まっているのですが、ペン先が冷えて描けなくなってきたのです。どんどんかすれてくる。パイロットの直液式サインペンはおそらくマイナス20℃以下での使用など想定して作られていないでしょう。もう描けません。漫画のようになった顔の周辺だけクレオラクレヨンで着色し(これも温度が低いためになかなか紙に色がのりません)、彼に見せました。長く感じましたが描いていた時間はおそらく5分か6分くらいでしょうか。

出来上がったスケッチを見せると、彼はそれでも満足そうに笑ってくれて、持ち場に帰っていきました。もっとしっかり描けていたら進呈したかったのですが、こうして手元に残ってしまいました。

サインペンとクレヨンでこれなのですから水彩スケッチなどはかなり難しいというか、ムリかもしれません。保温ポットのお湯で絵の具を溶けたとして、筆を紙の上に持っていくまでにおそらく凍ります。紙も温めておく必要があるでしょう。これとは別の冬に同じハバロフスクで試みたのは、水溶性のクレヨンで着色して、その上を氷でゴシゴシ擦って溶かすという作戦でしたが、思ったような水彩っぽい効果は得られませんでした。超低温水彩スケッチに挑戦中の方がいらしたら、ぜひお話を伺ってみたいと思っています。

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