ボールペンを「事務」から解放する
ペンや鉛筆を持った貴方の手は、これまであまりにも多くの制約の中で活動していたのではないでしょうか。
マークシートははみ出さないように塗りなさいとか、枠内に右詰でご記入くださいとか、姓と名の間は1マス空けてくださいとか、そういうことですね。貴方の手とペンは、そのような動きに慣れてしまっているのかもしれません。
スケッチにはそのような制約はありません。仮に勢いよく描きすぎて紙から線がはみ出てしまっても、おそらく怪我人が出たりすることはない。紙には天地左右の縁があり、そこで紙は終わりなのですが、貴方のペンはそこを突き抜けてさらに進んでいくことができます。貴方のペンは「文具・事務用品」ではなく画材に変身するのです。ペン自身がそれを望んでいるのかどうかはわかりませんが。
ペンや鉛筆が事務用品という立場から解放されるとき、貴方自身も事務や仕事や勉強のことを忘れて解放されるのではないでしょうか。言葉や数字ではなく絵を描くというのはそういうことでもある。のではないかなと。
Q:何だか意味不明です。要するに何ですか?もう字は書きたくないと。
A:そういうことですね。違うかな。
Q:結局わからんと。
A:…。
Q:具体的にはどのようにすればペンは「解放」されるのですか?
A:いつもと違う使い方をしてあげればいいんじゃないスか。
Q:また投げやりな。
A:まず持ち方を変えてみる。ぐーで握ってみるとか二本の指でつまむとか。
Q:左右入れ替えるとか。右利きだったら左。
A:そうそう。あと線を引く方向をいつもと逆にしてみる。
Q:なるほど。上から下ではなく下から上にひくとか。
A:そういうことですね。
Q:「慣れないことをしてみろ」と。
A:そうスね。
左手でぐー握り、左から右方向に線を引く
紙:(株)エヌ・プランニング B6 200シート無地 120-1036WH
ペン:三菱uniballSigNo UM-151黒
サインペンをペンチで挟み、右手で左から右に線をひく
紙:(株)エヌ・プランニング B6 200シート無地 120-1036WH
ペン:パイロットサインペン直液式P-S-VSP-B
Q:ペンチで挟んだ?
A:なんか、こう、ロボットになった気分で。
Q:意味あるんですか?
A:わかりませんけどね。すくなくとも事務ではやりませんねこういうことは。
Q:いつもペンチで描いている?
A:そうではなくて、自分の手で見慣れない線を引くための遊びです。
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